時計の電池交換/GUCCI 5500M

2014.6.23お預かりのGUCCI 5500M電池交換メンテナンスです。

ステンレス無垢バンドに両開きバックル。
「竜頭が引けない」「バックルが甘い」というご依頼もですがみてみましょう。

先ずはバックル。爪が入る穴側が潰れてと。

こちら正常側ですが穴が2つ。

こちら破損側、右の穴の右サイドの壁がありません。留めてみれば爪が二つの穴に入って広がって外側の壁に引っかかり留まりますが。片方が掛からないですから留めても少し力を入れて引けば外れます。

横からみればパイプのような構造ですが。

欠けてありません。この状態は「バックル交換」しか対応法は無いでしょう。

バックルの汚れもチェックして。

予算はありませんから見栄えや完成度・耐久性を言われたら何も出来ませんが○の箇所の壁の残りを奥に押し込みます。(曲げておきましょう)

これで一応は掛かります。ただ金属が引きちぎれる使い方ですから。普通に使えば簡単に外れるでしょう。

そして竜頭は引けない症状。

裏蓋は”はめ込みタイプ”で右が裏蓋記載。

裏蓋の裏側もチェックして。

これがムーブメントで。

ムーブメント拡大。

竜頭の巻芯が錆びて固着。兎に角は引いてみるしかありませんが最悪は
「ポロリ!と折れて。ゴメンナサイm(_ _)m」です。

抜けましたが、この状態では動かないでしょう。抜いた時にいくらかは錆びた粉がムーブメント内部に落ちているハズですから。

巻芯が折れる程ではありませんがサビを落とせばやせ細っている状態。

竜頭パイプもチェックしますが以外に綺麗。

これが取り出した文字盤&ムーブメント。

ですが、このサビ。文字盤上にも広い範囲で水滴が付いた模様が広がっておりますがかなり曇った痕跡。これは動かないでしょう。

ケースの内側もチェックして。

水に浸かった様な状態であったかと。

竜頭のサビを落とし見れば、やはり根本がやせ細っております。パッキンまでが外れましたが。もうパッキン交換とかの状態では無く「竜頭交換」しない限り防水機能の復元は無理です。

ケースの洗浄は終わってツヤが出ましたね。

竜頭パイプ周辺も洗浄して綺麗になりました。

竜頭もここまで綺麗になって。

竜頭パッキンは戻しますが気休め程度の防水機能。

文字盤は拭くと塗装が剥がれたりするので触りたくない箇所ですが。
粉が吹いているので拭き取らないとムーブメントに落ちても困ります。

綺麗になったケースにムーブメントを戻して電池格納部をチェックします。
電池を入れて動作確認ですが動いた・・・・!不思議な感じですが。

綺麗なった裏蓋にパッキンを戻します。

全体的にツヤが出て綺麗になりました。

ブレスも洗浄して綺麗に。

この角度でみれば壁を内側に曲げただけである事が良く分かります。

時間を合わせて・・・・と回しているとバリバリ音がして回せません。ギアが錆びて欠けているのが分かります。反対回しなら出来るので逆回しで時間を合わせ。
つまり「午前・午後」の合わせは無理で入れ替わったまま。
竜頭を引きなおして見たら抜けます。(-_-)
あまり触ってバリバリ動かずと錆びた粉が内部に落ちますから兎に角
動けばOKとします。でも翌日には止まっているものと思いましたが
動いたのでご希望の「電池交換・竜頭不動・バックル留め」すべて
ご希望は叶えた?ので発送となります。到着時に動いている事を祈るのみ。

この状態を修理となると「ムーブメント交換&竜頭交・文字盤交換」は必至。

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