時計の電池交換/SeamasterAqua Terra
2010年12月お預かりのSeamaste Aqua Terra電池交換メンテナンスです。
電池交換だけでは無く「針が回せないので修整」というのもご依頼です。竜頭を回しても滑る症状は内部でギアが破損していますから結果「要OH」ですか。
ステンレス無垢バンドに三つ折れプッシュバックル。
裏蓋はスクリューバックで右が裏蓋記載。
裏蓋を開けると耐磁プレートがムーブメントを覆っています。
これがムーブメントで。
パッキンを外して汚れを拭き取りますが・・・はて?このムーブ、電池は「936」だったか?927SWだったと思いますが・・・??
竜頭の裏側は洗浄で綺麗になりました。
竜頭パイプも、ここまでは綺麗になって。
これが取り出した文字盤&ムーブメント。
バネ棒も洗浄して綺麗になりました。
ケースの洗浄は終わってツヤが出ましたね。
診ると針が回らないのは長針が軸から外れているのみ。内部では無さそうで竜頭を取付。カレンダーが切り替わる位置を確認してから長針を12時位置に付けます。
(注・こういう写真を見て付いている針を外してどうこうのご依頼は不可です。外れた物を取り付けるだけなら可能ですが、外す作業を私がしたら針が変形します(;^_^A)
綺麗になったケースにムーブメントを戻して電池格納部をチェックします。
外したパーツを戻していきまが同じ936SWでは耐磁プレートが浮く?そして裏蓋を閉めると針がまた滑る。という事は電池の厚みオーバーでムーブを圧迫している。これは927SWの電池に入れ替える事で解消。OHも回避されました。
ベルトごと洗浄でバックルも綺麗になったところで。
ベルトを取り付け電池交換メンテナンス完了です。腕時計って余分なスペースは殆ど無い様に設計されています(雑貨ウォッチは別として)。よって元よりも厚い物を入れるなら薄い物を入れた方が安全。ただ電池切れが少し早いのと電池と裏蓋の隙間で電池が浮いて止まる事もありますが。こちら「トランスコンチ」に似た例ですか。
この電池番号の間違い。私も若い頃、経験がありますので他人事では無いのですが、一度間違った電池を入れると次に開けた店でも「入っていた電池と同じ物を入れる」のは仕方が無いでしょう。
こういった事は全国の時計屋さんの為にも書かない方が良いのです。また私にとってもお客様がこのページを証拠に時計店とトラブルになると私にもトラブルが及びます。かといって「何でも伏せておけば」というのもいけませんから「お客様の良識に頼っての記載」ですからご理解宜しくお願いいたします。