時計の電池交換/DW002RS/1298
2014.8.8お預かりのDW002RS/1298電池交換メンテナンスです。
メンテナンスですといっても革ベルトですから洗浄は出来ません。
本体はバネ棒で留まっております。
改造して取り付けてありますね・・・上手い具合に合わせたものだと感心しきり。
本来はグレーのウレタンは右写真のように繋がって一つのパーツですが、革ベルトを取り付けるために切断してあります。
裏蓋ネジを抜くとウレタンカバーに付いて開きました。
カバーに隠れる部分にはどうしても汚れが溜まる。
これがムーブメントで。
この文字盤の曇り除去がご依頼でしたがガラスが外せない限り拭き取り作業が出来ませんから「お断りの依頼内容」です。でも、これだけ「お断り」を連呼しているにも関わらずの、ご依頼ですからご承知でしたが。
何度も連呼しておかないとたまにスーに何も知らないで普通にご依頼の方があるのが恐ろしい。
これが取り出した文字盤&ムーブメント。
こちらは液晶側。
ケースの内側もチェックします。下が白いので綺麗に見えますが。
綿棒で拭くと曇りがはっきり。ただ「穴の部分とかは届かない」為に拭いても余計に曇った箇所が目立つだけ。そこで一念発起というか血迷ったというか、魔が差したというか。
ガラスを外して見る事に。
ただ普通の丸いガラスは外した経験は多いですが、G-SHOCKの変形ガラスは経験が無く何が起こるのか?。実験台になって頂きましょう。
先ずはベゼル・カバーを外しますが、加水分解で割れており洗浄は出来ません。99%バラバラになるでしょう。
「CASIO」と書かれた部分が白い帯になっております。
さて!プレス器で押し出しますがガラスがキッキキッキと音がして何度も作業中止。
ここまでに20分を要して何とか外しました。また全然安心は出来ません。
戻すときにパッキンが潰れていたり、作業で潰れたらお手上げですから
諦めて頂くしかありません。ガラスは外れたままの返却になります。
黒い物の上に置けばいかに曇っていたかがわかります。
以外に黒いプラスチックの穴の部分などに曇りは無くツヤがある状態。
この部分が曇っていたら作業は更に厄介なモノになります。
こちら裏側ですが、まさか外される事は無いだろうという組み立てか。接着剤補強もされております。どうりで外れにくかった訳で。
ガラスの周囲に巻かれた黒い物がプラスチック・パッキン。
冷や汗ものでガラスをプレス器で押し込みます。入った時は感動モノ。
曇りを拭いた時に「adjust」の文字が一部消えましたが、どうでも良いくらい神経をすり減らしました。
綺麗になったケースに・・・といっても洗浄はしておりませんが。いえ出来なかった。
ムーブメントを戻して電池格納部をチェックします。
見事表示。
外したパーツを戻していき電池を入れて動作確認。
ネジは洗浄して綺麗になりました。裏蓋カバーは拭いたのみ。
ELライト点灯確認。
洗浄してもベゼル・カバー等バラバラになるだけで、ガラスの曇りがそのままでは綺麗になった気がしないでしょう。
まして洗浄も出来ないとなると返却するしか無く。
「ガラスの脱着」にチャレンジするしか無かったという結果です。
でも上手くいったから良いモノの。
「ガラスが戻せませんでしたと返却」になる事とは紙一重の作業になります。
でもこのG-SHOCKの変形ガラス、要領は分かりましたか。