時計の電池交換/DIGI ANA8950-065493 TA

2011年8月11日お預かりのDIGI ANA8950-065493 TA電池交換です。

かなりお気に入りの時計なので2009年から何度か送って頂いて電池交換のみで対応しております。一度は20.000円ほど掛かっても構わないのでとOHのご依頼もあったのですが何分、デジタル部分は浸水で回路がダメなので昔から使い物にならない。となると職人さんは時計機能として「アナログとデジタルが揃って機能しない」という事でOHはしてくれません。もう回路は部品も無いですからね。

何時も「電池交換のみ1500円コース」で対応させて頂いております。ただ今回は前回の電池交換から1年弱。ちょっと早すぎるか?

微調整部分の位置をチェックしておきます。

裏蓋は”はめ込みタイプ”で右が裏蓋記載。

裏蓋を開けるとX-33やブライトリングの様に中蓋があります。ただ水浸し、といっても中蓋の外ですから問題はありません。

これがムーブメントですが、内部まで湿気でベタベタ、ほとんど浸水状態。

ムーブメント拡大。何度も注油調整で電池交換して来ましたが、今回は浸水では全く不動。

電池格納部をチェックしますが以外に綺麗。でも電池交換では動きません。注油調整も効き目無し。大事にしていると言う事でしたがついに限界。

パッキンは硬化して使い物にならず、これでは水が入るのも仕方がない。
湿気が入っているのでしばらく放置すればサビが浮いて修理も不可になるでしょう。もう諦めて頂くしかない状態なので返却するしかありません。

とそこへ!他の修理ついでがあったのと、前回のお預かり時とは違う職人さんに替わっているので「ダメ元」で「アナログ部分だけOH」で送ってみました。ただパッキンが硬化で切れております。特殊形状のパッキンですから交換パーツも無い。これを何とかしないと送っても防水機能が無い状態では返される。
そこで必殺技で普通の丸いパッキンを入れて発送。シリコンベタ塗りでケース形状に合わせて入りました。

職人さんからは見た感じではダメですがやってみないと分からない。職人さんにしても最悪、作業しただけで動かず請求も出来ないパターン。2週間が過ぎもうダメかと思っていたら「OH完了」で戻ってきました。動き出した秒針は元気が良い。今まで何度かの電池交換では秒針が滑る様な動きでしたが復活です。これでまた何度か電池交換できるでしょう。

「まさかOHは無理と返却される」だろうと写真も撮っていなかったので途中まで。戻って来たときに「メンテナンス」するか迷いましたがOH済みの裏蓋は開けたくは無い。それにパッキンを戻すが手間を考えるとやめておきます。今回はそのまま発送となりました。

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