電池交換では動かなかった時計/SEIKO SUS 6M26-6020
2011年7月2日お預かりのSEIKO SUS 6M26-6020電池交換メンテナンスです。長針が外れてブラブラなので取付宜しくお願いと言う事で到着。時計は動いていますから電池はありますが遅れると言う事です。
ステンレス無垢バンドに三つ折れダブルロック。
微調整部分の位置をチェックしておきましょう。
ベルトごと洗浄でバックルも綺麗に。
裏蓋はスクリューバックで右が裏蓋記載。
裏蓋の裏側もチェックします。
これがムーブメントで。
ムーブメント拡大。
パッキンを外して汚れを拭き取ります。
竜頭の裏側は洗浄でここまでは綺麗に。
竜頭パイプも、ここまでは綺麗になって。
これが取り出した文字盤&ムーブメントですが取り出したら針が全部外れました。
というか文字盤ごと飛び出してきた感じで、カレンダーリングの内側の円盤も飛び出て来ました。この黒い円盤には水滴の跡がありますから時計内部がかなり曇った形跡。これで遅れるとなるとOHするしか無いでしょう。後で電池交換して遅れる様なら注油調整で様子見ですか。ただ文字盤が固定出来ないでは針を取り付けても下から押し上げますので「遅れるどうの」は以前の問題。円盤が隙間無く2つですから両面テープで留めるにも貼る場所が無い。
文字盤の足はあるのですが昔の時計はこの足を横からネジで固定する構造でしたが最近のものは皆、差し込んであるのみ。ストッパーが無い構造ですから締める事も留めることも出来ない。この症状はいきなりこうはなりません。何度も入れ直している間にグスグスになります、つまりは、これを何とか戻そうとすると何時間も掛かって、ちょっと衝撃で針がバラバラになる修理しか出来ません。
ケースの洗浄は終わってツヤが出ましたが洗浄までしたのを後悔。
文字盤を戻してもすぐに浮き上がります。
何とか留まらないか構造をみますが○の文字盤の足が差し込まれた箇所がグスグス、元から締まっていないですからどうしようもない。どころか元に戻すのも不可です。何度かやってみましたが底なし沼に入り込む前に中止します。
全体的にツヤが出て綺麗になったところで。
ベルトを取り付けましたが、返却となります。これでは職人さんの送っても同じ、手間ばかり掛かって保証も出来ない修理は同じで修理不可と返却されます。セイコーに送って頂くしかありません。ただし殆どの部品は再利用しようとすれば同じ事。ただメーカーなら部品交換が可能、それなら手間も掛からないですが高く付きます。こちらは電池交換メンテナンスの一通りの作業以上の事をしても費用は頂けずですか。
他の例では、自分で触って直らなくなってバラバラで送って来る方がおりますが、その場合もこのパターンと同じで殆どのパターンで骨折り損って事になります。