機械時計のメンテナンス/OMEGA De Ville K18 手巻き時計
2013年3月8日お預かりのOMEGA De Ville K18 手巻き時計メンテナンスです。
7本届いたうちの1本。
金無垢ですから酸化して黒ずんでおりますがバフ掛けでピッカピカ!になるでしょう。
裏蓋は”はめ込みタイプ”で「こじ開け用の爪」が作ってあります。
そこ工具を引っかけて、テコの原理で起こして開けるようになっております。
ところが、まるで接着剤で固定されているかのように堅い。
18金で、かなり厚い裏蓋なので食いつきがきつか、パッキンがあって溶けているのか?
先人が作ってくれている溝があります。残念ながら経年の変化で微動だにしません。
中央の爪から起こそうとしてもビクトモしない。
テコの原理でと思ってもバネ棒の方が曲がってしまう。
ダイバー用のバネ棒でと思ってもラグ部の穴が小さく入りません。
そこでバネ棒に金属のパイプを通してもダメ。というか金無垢ですから柔らかい。
無理すると爪が折れる可能性も。
そこで仕方がなく裏蓋とケースの間に隙間を作ります。
そしてバネ棒では曲がるのでメタルバンドを取付てテコにします。
なんとか空きましたが堅かった。
凄い緊張しましたが分解修理で数万円頂く作業ではありません。
3.000円の作業としてはリスクが大きすぎないか?
金無垢であれ「キズがどうこう」気になる方は私には預けないでしょうが。
おまけに機械時計メンテナンスではムーブメント取り出しで、動いていた物が不動になることもありますから「分解修理の予算(2〜4万)」くらいの別途予算も覚悟してください。
不動のまま返却で宜しければ問題無いですが。
パッキンが入っている訳でもありません。
文字盤が歪んでおりますが、この構造閉める時にも力が要りますが文字盤が噛んでいるのか
裏蓋が堅いだけなのか分からないので、こうなります。
これが取り出した文字盤&ムーブメント。
これがムーブメントで。
ムーブメント拡大。
裏蓋の裏側もチェックして。
ケースの洗浄は終わってツヤが出ましたね。
綺麗になった裏蓋にムーブメントを戻して電池格納部をチェックします。
ピッカピカ!になりました。
工具を掛ける様に作った溝。ここなら2ミリくらいの厚みがあるので裏蓋が曲がることは来ないでしょう。
尾錠も18金ですから磨いてピッカピカ!
ベルトを取り付けメンテナンス完了です。