時計の電池交換/TAG HEUER LINK

TAG HEUER LINKと書いてある腕時計のガラス替えのご依頼。

ビシッと割れています。本物だったらもっと厚いガラスが入っているので簡単には割れません。言い換えれば本物の厚さのガラスなら交換は不可ともなります。薄いからこそ既製品で間に合うといった利点もあります。

ステンレス無垢バンドに三つ折れダブルロック。

裏蓋はシースルーバック。

スクリューバックを回すと汚れが出て来ます。

これがムーブメントで。

ローターに模様入りとは・・。

竜頭の裏側や竜頭パイプも洗浄します。

これが取り出した文字盤＆ムーブメントですが小さい針が外れました。これも本物ならありえない事。慣れない人が触るとここから針がみるみるバラバラになって行きます。

簡単に針が外れるくらいの作りであるということですが。それにましてガラスが割れている訳ですから衝撃も掛かっています。針だけでは無く歯車や地板すら軟弱な素材ですからガラス交換で外観は戻っても修理後の精度や針の外れなど。後の責任と言う意味では無責任な修理でもあります。

お客様からすれば「あの店で直したら直ぐに他が壊れた」当然、そういう言葉は出ます。そして世間の風聞となっていくわけですが。その辺りがこういった腕時計を「預かってくれない・修理して貰えない」理由でもあります。ではあなたは？と聞かれたら。

防水時計を防水テストも無しで預かる様な店ですから品格や信用なんて事は言えませんわ。

ガラスも替えてメンテナンス完了ですが、これ修理出来たのは偶然。径の大きなガラスで薄い物ってデザイン優先であって強度と言った意味ではデザインと矛盾するので既製サイズとして作っている所が少ないのです。

今回たまたま材料屋さんのデッドストックが有って分けて貰いましたので、この方に取っては簡単に直ってきた修理です。でも「サイト見ました。同じ様な時計で同じ依頼ですから宜しく」と言われても、その時はどうか分かりません。

こういった時計は普通なら出来る修理でも出来ないことも多々、解説するのも邪魔くさいので「無理です」と断る店が多いのは当然。私は人の良さで解説しておりますが、それが仇になって「何とか宜しくお願いいたします。」といった依頼が来ます。ただ

最近増えて来たのが「無理なものは無理」と言ってるのに食い下がって来る人には呆れます。善意に解釈すれば「三顧の礼」とでも言うのでしょうか？私そんな偉い人では無くただの時計屋としては時間を取られ過ぎで困ります。きりが無いですからスルーする事になりますのでご了承ください。