時計の電池交換/D & G GOOSE ドルガバ・グース クロノグラフ
2011年7月19日お預かりのD & G GOOSE ドルガバ・グース クロノグラフ電池交換メンテナンスです。「時計の落下でクロノ針が全て外れたので取付、ご依頼です。」
遊革・遊環(ユウカンとも呼びます)の状態もチェックします。
裏蓋はスクリューバックで右が裏蓋記載。
確かにクロノ針が外れて文字盤上で遊んでおります。
裏蓋の裏側もチェックしてパッキンを外して汚れを拭き取ります。
裏蓋を開けるとスペーサーがムーブメントを覆っています。
これがムーブメントで。
ムーブメント拡大。
竜頭の裏側は洗浄で綺麗になりました。
竜頭パイプも、ここまでは綺麗になって。
これが取り出した文字盤&ムーブメント。
さてこのクロノ針ですが「赤い針が何処?」。こんな時ネットは便利ですね・・・「D & G グース」でぐぐれば写真が出てきました。
ケースの内側もチェックします。
おや???何が言いたいかというとクロノ針が入る穴から「軸が見えていない」。つまり文字盤とムーブメントの位置がずれている。という事は「エト足が折れた証拠」、これは厄介になりました。
針を全て外すしかありませんが、この作業は私のキャパ以上の作業ですから怖々。
文字盤を持つと片方しか文字盤に固定されていないので片方が浮きます。
文字盤の裏側のムーブメント。
本来○の箇所にもう1本、足があってムーブに刺さって固定されております。
ピンセットで指している箇所ですが本来「歯車のホゾが突き出ている箇所」
それが3箇所全て折れているのでクロノ針が突き刺せない。
例えば白い歯車が見えますが軸の部分はムーブメントから飛びでない様にカットされております。クロノ針が付く歯車はそれでは困ります。
かといって歯車交換は出来るムーブでは無く「ムーブメントごと交換」プラス「文字盤も交換」そこまでしたら2万円は超えますし交換パーツが入らないでしょう。
クロノ針に折れた歯車のホゾが残っております。これを除去したいのですが15分格闘しても不可。
よって、そのまま文字盤に接着します。ただホゾが付いたままの分浮きますから強度が問題。
ケースの洗浄は終わってツヤが出ましたね。
綺麗になったケースにムーブメントを戻して電池格納部をチェックします。
電池を入れて動作確認。全体的にツヤが出て綺麗になりましたがケースに組み込むとクロノ針が外れて落ちている。
何度もムーブメントを取り出して手間も掛けられませんからクロノ針の先端部分を文字盤に直づけ。接着剤が見えますがぱっとみでは分からない。
クロノグラフが単なる「三針センターセコンド」に変身ですが、これで「電池交換+洗浄3.000円コース」+1.000円となります。
ショックで抜けただけならムーブメントの取り出しついでに針付けして3.000円でしたが折れているとなると、こうなります。
それか「接着もせずに除去」で穴が空いたまま。それでも3.000円の範囲内という方法もありましたが、あまりにも格好悪いですよね。
いずれにしろ私「時計職人では無いから出来る諸行」。これは修理とは言えません「その場繕い」とでも言いますか。よって普通に時計屋さんでこの依頼をするのは嫌われます。つまりはこの状態なら「普通の受付対応は”修理不可で返却”」or「ムーブメント交換」どちらかでしょう。