時計の電池交換/ELGIN FK-946-W
2012年3月7日お預かりのELGIN FK-946-W電池交換メンテナンスです。
ご依頼時の添付写真ですが修理可能かどうかのお問い合わせです。
付けられないので長年の放置という事ですが。
写真から分かるのは「本来は外れ無い箇所」ですから
簡単に割ピンを入れるだけ、という訳にはいかない。
そしてダブルロックが無くなった状態ですが、それも留めてあったピンが抜けた為。
割ピンでは留まらないですし、Cリングピンでも不可。
センターラグピンで留めるしか方法はありませんが問題はピンを通す穴の大きさ。
写真では判断がつかず現物を見ないと分かりません。
さて到着。ダブルロックは諦めて頂くとして。
センターラグピンを通すにコマの穴はOK。板バネ側の大きさは調整可能。
裏蓋はスクリューバックで右が裏蓋記載。
ベルトごと洗浄でバックルも綺麗に。
バックルや裏蓋の裏側もチェックします。
これがムーブメントで。
ムーブメント拡大。
竜頭の裏側は洗浄でここまでは綺麗に。
竜頭パイプも、ここまでは綺麗になって。
これが取り出した文字盤&ムーブメント。
ケースの洗浄は終わってツヤが出ましたね。
綺麗になったケースにムーブメントを戻して電池格納部をチェックします。
パッキンは交換してシリコン塗布をして裏蓋に戻します。
全体的にツヤが出て綺麗になりました。
センターラグピンを加工して入れます。次ぎに板バネの噛み合わせが浮いておりますので修整して。
洗浄で回転ベゼルの数字が消えたので墨入れ。
ピッカピカ!に蘇って電池交換メンテナンス完了です。そして4ヶ月後。
2012.7.3日「ガラスが曇ります」と。それから数日、届かなかったので「サビで止まって諦めた」と思っていたら「2012年7月12日」到着。申込みから9日も経過しているのでサビが回っております。直ぐ送られると「ムーブメント取り出しで乾燥のみ1.000円」と回答しましたが9日も経つと作業が違ってきます。
ムーブメントにも湿気が。
何と!竜頭がサビと摩耗で穴が空いて巻芯が見えている。これでは隙間だらけですから水が入り放題。わずか4ヶ月でこうなってしまうのですね・・・。雑貨ウォッチで、こういう作りです仕方がありませんが。
ガラスの中央には水滴がついた跡ですから曇るどころか水滴が文字盤に溜まっていたと思います。
ケースの洗浄は終わってツヤが出ましたね。
洗浄して綺麗になりましたが。
サビや空いた穴は仕方が無い。竜頭も交換しないといけませんが時計メーカーでは無いですから交換用のパーツは用意していないでしょう。ましてネジ込みでは既製もありませんから交換出来ずこのまま使うしかありません。
到着時から動いておりましたのでムーブメントは取り出して乾燥させただけです。折角、綺麗になったので「ダイバーウォッチ」としてガンガン使ったのだと思いますが、もう少し時計の特性を考えて使用しないとこうなります。