CHANEL J-12

2015.6.12お預かりのCHANEL J-12電池交換メンテナンスです。

ブレスが切れた状態で到着。そこでご自分で修理しようと「余りコマ」一つを
調達されてらしいですが「ピンが上手く装着できない」。
このピンですが両サイドから押し込むだけですが、形状が特殊ですからコツと工具の使い方が難しい。

さて電池交換の前にコマの修理ですが・・・。こっ、これは。
凸どうしでは繋ぎようが無い。

コマは「凹と凸」

弓環部分を外しますが、こうなります。

ここへ新品のコマですが繋ぎようが無い。

どちらかの側の「凸の部分」を外すしかありませんが。
これは外れる構造にはなく、無理矢理外しますがコマが壊れる事は覚悟しないと。

何とか外せましたが、不要部分を除去して組み立てようにも付きません。
これは後で接着剤で留めます。

さて後は「凸」と「凹」を合わせるだけと思いきや。
ベルト調整用のコマでは、ピンが通る穴が小さいので繋げない。
さて、困った!

そこで微調整コマの「○の部分だけ入れ替えます」。
これも分解は前提に作っていないですから作業してみないと出来るかどうかさえ分からない。

ヘラを差し込んでコマを分解します。

分解は出来ましたが、組み立てが出来るか迄は分かりません。
コマを分解するという行為は「壊す」という事ですから。

入替は完了です。どうも接着剤で留めるしかないようですが。

ブレスの途中に「微調整用の穴が空いたコマ」が挟まります。

これが特殊なピンですが。

何と!バックルに近い部分に装着される事前提ですから。
弓環に近い方に入れると段差が出来てしまう。

結局は「微調整用コマ」は微調整位置にしか入らない事が分かり。
分解したコマを元に戻します。

これでは、一コマ小さい状態なので、微調整位置に同梱のコマを追加。

ラグ部の汚れや裏蓋もチェックして。

ネジも洗浄して綺麗に。

これがムーブメントで。

ムーブメント拡大。CITIZEN系、クロノグラフ汎用ムーブメント。
詰まり本物のJ-12ではありません。

竜頭の裏側は洗浄でここまでは綺麗に。

竜頭パイプも、ここまでは綺麗になって。

おっとムーブメントの隙間から、スペーサーでは無い詰め物が飛び出て来ました。

これが取り出した文字盤&ムーブメント。

本来なら白いセラミック部分と金属部分は持ち上げただけで分解されますが。
プッシュボタンと竜頭パイプが貫通しており外れない。

ケースの洗浄は終わってツヤが出ましたね。

目盛リングが洗浄で外れましたが、これはテープで留めてあったようで。

綺麗になったケースにムーブメントを戻して電池格納部をチェックします。

裏蓋も洗浄して綺麗になりました。

パッキンにシリコン塗布をして裏蓋に戻し。

ゼロ位置合わせを行って。

弓環も洗浄して綺麗になりました。

ブレスも洗浄して綺麗になったところで。

バンドを取り付け電池交換メンテナンス&コマ修理完了です。
この修理は「余りコマ&ピン」の同梱が無ければ不可能でしたね。
こういう壊れ方をするのはフェイクの特徴でもあります。

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