時計の電池交換/SEIKO GRAND QUARTZ 4843-8050
SEIKO GRAND QUARTZ 4843-8050電池交換メンテナンスです。ハナムシさんのグランドですが、デッド品かと思えるくらい綺麗な腕時計。未使用かと思えますが腕時計は開けてみないと分からないという事で、動いていますがメンテナンスのご依頼です。
ベルトもオリジナル”スライドバンド”。ここまで綺麗とメンテナンスの意味があるのか?とさえ思えますがやってみましょう。これが裏蓋ですが本来は小さな電池蓋のみコインで開けて電池交換ですが大きな裏蓋を開けます。前回のGRAND TWIN QUARTZの様なことがあるかもしれないですからね。
これがキャリバー。むむむ・・・電池蓋の位置が間違っていますね(;^_^A。これでも問題はないですが。
これがセイコーオリジナル”スライドバックル”。裏蓋の爪も普通のスライドは2箇所ですが1箇所。
普通のバックルは○位置からドライバーを差し込みますが、このタイプは写真のドライバーの方からロックを外します。
このベルト調整やってみれば分かりますが、普通のスライドバックルのベルト調整とは違って実にしなやか。市販のスライドバックルのベルト調整とは雲泥の差ですね。未使用に見えますが、こういった所を良くみるとサビが浮いて来ています。
裏蓋を開けたところですが、ムーブメントを完全覆った耐磁プレート。裏蓋の裏側をチェックすれば。
サビが浮いています。ということは。ケース側もサビが付きます。この程度なら洗浄で綺麗になります。
これがムーブメント。重厚なムーブメントですね・・・さすがグランド。
よく見るとバネ棒が錆びているのが見えます。竜頭の裏側チェック。
これが取り出した文字盤&ムーブメント。竜頭パイプもチェックします。
竜頭パイプ裏側もチェックします。ラグ部が錆びていると言うことは。
ベルトも錆びているわけです。反対側もチェック。
バネ棒が錆びています。まだまだ使えるバネ棒ですが交換しますか。竜頭の洗浄完了。
ベルトの洗浄も完了。ベルトも綺麗に。
裏蓋も軽く磨きます。竜頭パイプもピッカピカ!
ケースも綺麗になりました。表側もピッカピカ!これバフ掛けはしていません。これだけ未使用に近いケースをバフ掛けすればかえって角のシャープさが消えてへんになります。
ラグ部もピッカピカ!ケース内側まで光りました。
綺麗にサビが落ちましたね。そして写真右側の”・”と。裏蓋の凹みを合わせて裏蓋を閉めます。もちろんプレス器で閉めますがコマを回転させない様に閉めないとこの位置がずれます。
さて錆びていたバネ棒は交換して。新しいバネ棒を入れます。
これが一体式に見えるバンドのケースとの隙間ですが。バネ棒を交換したが為に隙間が出来ます。これは何故かといえば。
これが本来のバネ棒が通る穴とバネ棒の隙間。こちら交換側、バネ棒が細いので隙間が空いた為にベルトがしっかり付かない訳です。この太さのバネ棒が無かったので錆びたバネ棒を洗浄して戻しておきました。
グランドクラスになるとベルト一つとっても、ステンレス無垢パーツだからなせる緻密に計算された作りになっています。バネ棒1本おろそかに出来ません。
これ以上綺麗になるのかと思いましたが、結構綺麗になりました。