時計の電池交換/KING QUARTZ 5856-7030

2011年5月お預かりのKING QUARTZ 5856-7030電池交換メンテナンスです。

ステンレス無垢バンドにスライドバックル。

バックルの中やコマの隙間に汚れが溜まりやすい。

裏蓋は”はめ込みタイプ”で右が裏蓋記載。

ラグ部には一体風に見せる工夫が施されております。

これが取り出した文字盤&ムーブメント。といってもムーブメントは、まだ裏蓋(ケース)の中ですが。

ケースはこれだけ。

文字盤周辺のパッキンでの防水機能ですから汚れが溜まるのは仕方が無い。

竜頭の裏側は洗浄で綺麗になりました。

竜頭パイプも、ここまでは綺麗になって。

これがムーブメントで。

電池格納部をチェックします。汚れがあるので拭き取って、注油調整もしておきます。

電池蓋が外せないという事で、ムーブメントを抜いてから裏側から押して外します。

パッキン、パリパリですから後で交換します。

ケースの洗浄は終わってツヤが出ましたね。

ケースの洗浄は終わってツヤが出ましたね。

パッキンにシリコン塗布をして文字盤に戻します。このパッキン特殊ですから劣化していても交換は不可です。このパッキンは交換の必要はなかったですが。

ただ電池蓋パッキンは硬化するしかありません。もちろん純正品などはありませんから似たサイズで厚みのもので合わせます。

本来の物よりも分厚いようで、電池蓋を回しても△マークがあいません。これ以上閉まらない。

この当時のステンレス無垢バンドですが薄型とはゆえ密度が濃い。4・5回くらい洗浄し直しても黒い汁が出て来ます。かといって別料金と言う訳にもいかず、キリもないので適当におきます。よってワイシャツの袖が黒くなる可能性もありますから注意が必要です。兎に角は洗浄して綺麗になったところで。

ベルトを取り付け電池交換メンテナンス完了です。発送後に質問があり「ガラス交換」もご依頼でしたが「交換は不可」でしたかと。

これ解説が長くなるのでお一人のメールに時間を取るのも時間が勿体ないですから、ここで解説追加と致します。

材料屋さんによると「無い事はない」ということでした。では何故交換しなかったか。純正品では無い都合、あってもガラスの製造業者が本来の部品の品番からサイズを見ながら近い物を探し出す訳ですが。その作業だけでも手間のガラス。この当時のガラスは取付方法が個々によって違っていてガラスのカットの形状の違いで入らなかったりする物が多いそうな。そのガラスを細い特殊なパッキンで留めておりますがガラスを外せば大概のパッキンは劣化していて使い物にならなくなる。そのパッキンの代用品は無い。

つまりは「ガラスが割れてしまって使えない」状態なら交換する意味もあるが、キズが付いたくらいで交換するとなると防水機能は無くなる。また交換する側も団塊の世代以上で、この頃のガラス交換に慣れたものなら簡単ですが、私らでは未体験の交換なので交換用のガラスを取付時に割ってしまうリスクが大いにあり。つまり2枚仕入れて1枚分しか請求出来ないリスクがあると言う事になります。以上が交換しなかった理由になります。確かにこの頃のガラスはガラス周辺のカット面の薄いところを金属ベゼルで押さえつける構造の物が多く、ガラスを金属ベゼルで押さえつけながらプレス器で押し込んでいく訳で。当時の物は凝った作りであったと言う事が良く分かりますね。

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