時計の電池交換/TAG HEUER CG1110-0

2010.11.2お預かりのTAG HEUER CG1110-0電池交換メンテナンスです。外観は綺麗ですが結構ボロボロですね。

ステンレス無垢バンドに三つ折れダブルロック。バックルのバネ棒が壊れているので取り替えもご依頼です。

裏蓋はスクリューバックで右が裏蓋記載。

裏蓋の裏側もチェックします。

これがムーブメントで。

ムーブメント拡大しても綺麗な状態。傷みは感じません。

ところが竜頭を抜くとサビが凄い。これは明らかに竜頭パッキンの劣化ですが竜頭交換のみで15.000円くらいでしょうか。

竜頭パイプも中はサビがビッシリ。ただ巻真の中央や先端までサビが回っていないのでムーブメント内はにサビは及んでいない。

ただプッシュボタンがどちらも全くの不動。パッキンが溶けて接着剤になっているか錆びて固着しているかどちらか。ただこのプッシュボタンが押し込まれたまま固着しているので竜頭を抜いてもムーブメントがdせない。

文字盤を上にしても文字盤と目盛リングの間にかなりの隙間が見えますが、それ以上動かないのです。上から見てもプッシュボタンがムーブメントを押しているのが分かります。

プッシュボタンはサビで駄目なので犠牲にして何とか出ました。

ケースの内側から見ればサビは回っていない。ただプッシュボタンの内側はサビでビッシリ。

ペンチで引き抜きましたがキズだらけ。プッシュボタンのパイプもサビが凄い。

もう片方はパイプごと折れてしまいました。これでもうこちらでは修理は不可。メーカー修理しか完全修理は出来ない状況に。

ケースの洗浄は終わってツヤが出ましたが。

破損したプッシュボタンは直らない。

竜頭とプッシュボタンを洗浄したら・・・あららら・・。竜頭が真っ二つに。

ねじ込みのバネの所で抜け落ちています。これは修復は不可で 新品交換しか手立てはありません。

おそらくメーカーではケース毎交換になるか。となればこの時計の修理代金は10万円近くにはなります。

綺麗になったケースにムーブメントを戻して電池格納部をチェックします。電池交換で時計は問題無く動きました。

0位置合わせを行いますが。

何せ巻真のみしかさせない。この状態のままケースに滑り込ませて。

巻真が竜頭パイプから覗いています。この上からねじ込み竜頭を閉めれば格好は付きます。

パッキンにシリコン塗布をしてケースに戻します。プッシュボタンは洗浄で動くようになりましたがサビによる摩耗でプッシュボタンが効くときと効かない時がある。よってパッキンをカマして不動ボタンにします。ストップウォッチは使えませんが動き出しても0位置合わせが出来ないでは不便。時刻読み優先としました。

「プッシュボタンが、これだけ錆びている=ストップウォッチは使っていない」=不要という証拠ですから構わないでしょう。

さてバックルのバネ棒も交換のご依頼ですがバネ棒の先端はサビ落ちてパイプ部分がエンドピースの中に錆びて残っているでは・・・(;_;)’。これは厄介。でも抜いて交換しないと腕時計が腕に付けられない。

ベルト調整の要領でコマを外して、後は工具で叩き抜きます。

何とか抜けましたが穴の中が錆びて新しいバネ棒が通らないので中のサビを削り落としバネ棒入れます。

ところが今度はバネ棒先端が錆びて折れ込んでバックルに残っているでは・・・・こんなの始めてみました。

これも外して。

やっと腕時計として腕には付けられる様には出来ました。0位置合わせはしておきましたが針がクロノ針はプッシュボタン固定で動かない。時間をみるだけの腕時計に。

このサビ方ではメーカーではOHは必至ですからメーカー修理では10万円は超えるかと。まさかそこまで掛けないと思いますので最低限の機能は使える様にして費用も最小限で4.000円也ですか。もっと手間は掛かっていますが完全復帰出来ていないのでそうも行かず。おまけに竜頭から水はジャジャ漏れになりますから非防水ウォッチになりました。あとはお客様がメーカーに送るかどうかで私の手は離れる事になります。

教訓:「竜頭やプッシュボタンはたまには動かしてあげましょう」

「かといってストップウォッチ回しっぱなしも止めましょう(;^_^A」

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