時計の修理受付例/クルージング7A48-7000

クルージング7A48-7000

クルージング7A48-7000の修理依頼ですがオークション調達の腕時計で、クリスタルガラスの交換と電池交換、またベゼル部分のバフ掛けの依頼ですが、セイコーはベゼルはメッキなのでバフ掛け出来ないと断ったそうです。こちらとしては腕時計を見ない状態では、さっぱり状況がわかりませんから送って頂きました。

確かにこのベゼルはバフ掛けしたらメッキが剥げるでしょう。またバフ掛けするにはガラスも外す必要が出て来ます。ガラス交換も依頼ですから余分な費用は掛かりませんが、問題は。

竜頭が動きません、何か接着剤の様なもので留めてあると?ベルトには”SQ”のマークが入っていますが、このベルトはこの腕時計の時代よりもかなり前の物です。オリジナルでは無いでしょう。

ラグ幅が合っていませんしね。ここまでメッキが剥がれてバンドが伸びていますから交換する方が良いのですが、この腕時計に合うメタルバンドは見つかりにくいでしょう。

裏蓋はスクリューバック、さぁ開けて見ましょう。これがキャリバー。

開けようと横から見ればパッキンが、はみ出しています(;^_^A。この状況です、この程度は交換しなくても、それなりの方法できれいに収まって防水性も変わりません。

これがムーブメント。金属ベースのきれいなムーブメントですが、ツヤは全くありません。

そして電池を見れば、本来電池を横から押さえる端子が、電池の上に乗っています。竜頭を見ると不自然な状況、巻芯までもが。

6時位置から文字盤を見て。12時位置を見れば隙が出来ていますからムーブメントが収まっていない。

接着された竜頭を外すと竜頭のみが外れました。若干ネジの部分が残っていますから何とか引き抜けそう?

ガラ箱から合う竜頭を探して、ねじ込んで取付。巻芯を抜こうと引いてもビクともしません。

巻芯にまで接着剤が及んでいるというか、サイズの違う巻き芯を強引に突っ込んだ感じ。

これでは、文字盤を外してムーブメントを分解して行かないと抜くことが出来ません。また抜けても強引に入れた物であれば他の部品も破損している可能性が大。

「ガラス交換5.000円+分解掃除10.000円+竜頭、巻芯3.000円」これに分解してみて破損した部品が調達出来るか?そこまでやって直る保証は無し。

それとケースのキズが深いですからバフ掛けしてもピッカピカにはならないでしょう、これは返却しかありませんね。

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