時計の修理受付例/GRAND QUARTZ 4843-8050

2013.6.26お預かりのGRAND QUARTZ 4843-8050電池交換メンテナンスでお預かりでしたが分解修理となりました。

ステンレス無垢バンドですが薄型のスライドバックル。マーク入りははオールド・クォーツならでは。

裏蓋は”はめ込みタイプ”で右が裏蓋記載。はめ込みタイプですが電池蓋があるタイプ。

バネ棒やベルトの汚れもチェックします。

裏蓋の裏側もチェックしますがサビが気になりますが。

電池蓋パッキンは硬化してパリパリ。これは後で交換します。

裏蓋を開けると耐磁プレートがムーブメントを覆っています。

パッキンを外して劣化具合をチェックします。

スペーサーを取り外しますが、このサビは・・・かなりの浸水。

白いプラスチック部分だけですからサビはムーブメントまで及んでいないでしょう。

サビはケースの外周部分に限っているようですが、これだけ錆びれば粉がムーブメントに散っているはず。
この電池が「Enegie」とか書いてあり普通の物に交換もご依頼です。
この電池は我々、時計業界ではみないもので他の業界で流通しているのでしょう。
この電池と同じ物は私では頼まれても入手出来ない種類ですから普通の
MaxellとかSONYの電池になります。

電池格納部をチェクしますが綺麗なもの。

竜頭の裏側は洗浄でここまでは綺麗に。

竜頭パイプも、ここまでは綺麗になって。

これが取り出した文字盤&ムーブメント。

サビは金属のスペーサー部分に集中しております。

ガラスに落ちた、錆びた粉。これがムーブメントに回るわけです。

ただケースの片方に限っておりますようで。

ケースの洗浄は終わってツヤが出ましたね。

内部も洗浄して綺麗になりました。

スペーサーも分解して洗浄します。

綺麗になったケースにムーブメントを戻して電池格納部をチェックします。

電池を入れて動作確認ですが不動。ピクピクはしておりますが分解修理で動く症状です。

外したパーツを戻していき、電池蓋パッキンは交換して。

ブレスも洗浄して綺麗になりました。

ラグ部のパーツも洗浄して綺麗に。

バンドを取り付けメンテナンス完了で修理センターへ送ります。
見積もりを待ってお知らせでしたが、予算からキャンセルとなりました。
修理センターにも、その旨FAX送信して。
お客様にも洗浄代のみの請求メールをしたところで。

修理センターから「すでに分解修理してしまった」と。
ある意味”見積もりの行為自体が分解修理となっており”。
見積もりのために分解していくうちに動いたと言うことでしょう。

私から、修理センターに「分解修理、進行の指示は出していない」と拒否も出来ますが。
そこまで厳格にやり取りすると普段の付き合いがやりにくい。臨機応変と言うことで。
お客様に連絡して事情を説明し「分解修理でご依頼頂けないですか?」と
御願いしたところ。快くご了解を頂き分解修理で受けることに。

ただ私としては、お客様には「分解修理を完成させてしまいました」と言っているのに
それから点検や様子見で日にちが掛かっては
「直してもいなかったのに、分解修理を取るために嘘をついたように思われても困ります」

そこで修理センターさんには「即、送ってほしい旨」を伝えました。
結局、発送を急かしてしまった為に。修理後の点検期間を設けずにお渡しする事に。

ところが到着後
「動いてはおりますが秒針の動きが不規則に動く。また到着後、一日で5秒も進む」
と。お叱りを受けまして再修理で返送頂くことに。結果ご迷惑お掛けしております。

この「不規則な秒針の動き」(秒針のステップの幅が、一定しない) は
私も確認しておりましたが、それが為にまた修理センターへ戻しては
日にちが掛かる。それでは急かした意味が無いか?と
修理センターからの荷物を転送する様に、お客様に送ってしまった為の失態です。
クォーツが1日、5秒も進んでは。
こちらのドタバタ劇の為に大変、ご迷惑お掛けいたしました。

修理センターさんからの返事で「秒針の不規則な動き・5秒の進み」。
これは写真の浸水による回路部分のダメージが原因で「回路交換」かしか
対応方がなく、交換パーツを探しましたが想像通り見つからず。

症状の改善が不可能である限り、ご納得は頂けず全額返金対応となりました。
これが「オールド・クォーツ」という事ですが、こういった事例があった事により。
オールド・クォーツは関わると収益どころか損失が出る実績が出来た以上
「オールド・クォーツの受付は中止」
とさせて頂きます。2013年7月

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