時計の修理受付例/LONGINES V.H.Pガラス交換
2011年6月お預かりのLONGINES V.H.Pガラス交換です。
落としてヒビが入ったという事ですがお見事。意外にこういう割れ方は衝撃は小さい。
チタンバンドに三つ折れバックル。
微調整部分の位置をチェックします。
裏蓋は”はめ込みタイプ”で右が裏蓋記載。
裏蓋の裏側もチェックしますと電池が格納されている。電池交換はご依頼では無いので触らなくても良いのですが。この色のパーツと一体の特殊電池?いやまさか?と外してみました。
電池は普通のリチュウム電池。ただこのリングの取付には苦労しましたがコツが分かれば簡単。でも良くこういう構造を考えついたものだと感心しきり。
これがムーブメントですがどうみてもリチュウム電池では無く、小さい電池仕様。
絶縁フィルムで仕切ってマイナス端子を上げてムーブメント全体を電池格納部に。
なかなか上手く作られております。
巻芯の根本が錆びていますね・・・竜頭から浸水している様ですが、これは交換しか対応は不可ですが純正品は入らない。また既製では防水機能は維持出来ません。
竜頭パイプも「機械留めネジ&板」も湿気で錆びております。
機械留め板も外せばこの通り。
これが取り出した文字盤&ムーブメント。
ケース内側も錆びておりますが拭き取れるレベル。
ガラスを外すとプラスチックパッキンで固定されて外れましたが、ちょと触ればバラバラになります。写真でも周辺には金色のプリントが見えますが、これは純正ならでは。既製に交換しますので透明の普通のガラス。でもこれはサファイアガラスでしょう。
ケース内径「28mm」パッキンの厚み「0.41mm」。という事はガラスの直径は27.2mm〜27.5mmくらいですが、プラスチックパッキンの高さが低い。
ガラスの厚み0.8ですから当然ですが、それを純正品でもないのにプレス器で押さえつけて装着するにはリスクが高すぎる。
そこでプラスチック・パッキンは無視。ケース内径にジャストで接着します。その分、厚みも1.0mmにしますから丈夫。
竜頭の裏側は洗浄でここまでは綺麗に。
電池を外すのに手こずり指で触れすぎましたから、かなり消耗させてしまったので電池交換もしておきます。ガラスは周辺の金色のラインが消えた分、高級感がダウンですが、その分安い。10.000円は掛かりません。(私が作業出来るものならばですが)