時計の修理受付例/
2012年12月20日お預かりのLUMINOX Series 3400電池交換メンテナンスです。
ステンレス無垢バンドに三つ折れダブルロック。
微調整部分の位置をチェックします。
裏蓋はスクリューバックで右が裏蓋記載。
バックルの噛み合わせが浮いておりますので修整して。
ベルトの取り外しですがラグ部のバネ棒。錆びて不動です。反対側も同じですからハズ事が出来ません。よって先にムーブメント取り出し、そのまま洗浄する事にします。
裏蓋を回すと汚れも連れて出て来ました。
裏蓋を開けると電池がムーブメントを覆っています。
更に絶縁フィルムが覆っておりますので
取り外し。次ぎに竜頭抜きですが指で回そうとしてもビクともしない?
工具で摘んでも不動。良く見ると錆びて固着しておりますね・・・。かといってこのままででは電池交換の後に針廻しも出来ないので固着部分は外す必用があります。
メーカーや普通の時計店ではこの時点で「対応不可で返却」となります。
それを受け付けるとどうなるかご覧あれ。
時計用の可愛い工具では歯が立たない。そこで
ネジ込み竜頭なので引いても無駄ですからペンチで回します。
プチッ!という音したので外れたのかと思ってもネジ込みは噛んだまま。かといって指でも回らず更にペンチでまわすと竜頭は外れましたが・・頭だけ?
竜頭を回せば巻芯も一緒に回転している訳で。いくらネジ込みのネジが固着していても巻芯は関係が無いもの。
巻芯が折れて竜頭バネが飛び出てきました。
という事は竜頭パイプに触れている巻芯がサビで固着していた訳です。
この症状は始めてみましたが。
(こういう症例を載せるとLUMINOXの電池交換は益々、受ける店が無くなるかと)
兎に角はこの状態ではムーブメント取り出しも出来ない。針も回せない。
かといって「竜頭も抜けない」、私ではお手上げ。
そこで職人さんに診せると、この状態のままムーブメントを分解していった。
そして残った巻芯を抜いてくれました。
さすが!!としか言いようが無い作業でした。
ただ抜けても時計が使えない事に変わりはなく。さてどうするか?
その間に一度、持ち帰って洗浄します。
竜頭パイプも、ここまでは綺麗になって。でも締まるかどうか?
弓環部分の汚れも綺麗になりました。そして驚きは折れた巻芯をくっつけた!!??
どうやって????
巻芯とカレンダーの送り車交換。
電池を入れて動作確認。
ところがネジ込み竜頭が締まらない。巻芯を再度はずして長さを調整して・・・・聞いただけで気が遠くなる作業を頂きました。
何とか締まりましたがパッキンまでは装着出来ませんからスコン!と締まります。防水機能ゼロですが、戻すには「純正の竜頭交換」ですが部品が入手出来ません。また出来ても1万円近く掛かるでしょう。
電池交換メンテナンス完了ですが、元の状態から明からに「使い方に問題あり」です。これを機に非防水ウォッチとして使う事をお勧めします。
職人さんの仕事としては10.000円でも足りない仕事量ですが今回、無理を言いました。