時計の修理受付例/ROLEX

2012年12月19日お預かりのROLEXと書いた時計「振ったらカタカタ音がする」ということですが。
こういう時計は触ると手間ばかり掛かって、それでも直れば良いが壊れる物もあり。
出来るなら触りたくはないのが本音。
今回20.000円までなら払いますという事でやってみますか。

かなり重厚な作りでズッシリ重い。

ステンレス無垢バンドに三つ折れプッシュバックル。

裏蓋はスクリューバックですが、こんな大きな蓋では専用オープナーのコマが合わない。
職人さんには工賃が合わないと思ったら断って下さいと前置きして。

裏蓋を開けるだけで一苦労でしたが二人が掛かりで開けました。
カタカタはロータのネジが緩んだものと開けてみると何とローターはかしめてあるのみ。

TAG HEUERのベルトと同じで叩いて締めていきますが締めすぎると不動になってしまうのでローターの意味を成さない。慎重な作業が続きました。
ただ、かしめて直す構造なので、また強い衝撃があれば簡単に緩んで外れるでしょうが。

それにしてもローターまで本物の形状に似せる必用があるのか?

チープなムーブメントですがETAでも無い。
今回、私の作業では無く職人さんの手を患わせるので3.000円のサービス内とはいきませんが。
今回はたまたま直せましたが、断る事の方が多いですか。

完了して発送したので終了と思ったら。
「到着いたしました。」メールには
「到着時には既にローターが外れております」という事で、再送願うことに。
やはり最初から触らない事が正解だったようです。

「職人さんも部分修理では力が入らないでしょうから分解修理して頂いて構いません。」
という事で到着。それならわたしも頼みやすい。

そして分解修理も完了で精度調整もバッチリという事で取りに行くと。
職人さんがちょと待ったということで。
写真の□の部分のギア。香箱(ゼンマイ)の歯車がバリバリと音を立てたと。

刃先がボロボロ、柔いのです。
かといって交換用のパーツもありませんから職人さんのガラ箱探し。
1日掛かりで見つかって交換して頂きましたが。
やはり、こういう時計は触り出すとキリが無くなるというパターンに陥りやすい。
あとは分解修理は出来て精度も良くなったという事ですが。
分解したが為か元からか
※「手巻きは歯車を替えたので出来ますが、微妙に竜頭を引きながら回さないとギアが滑る」
※「カレンダー早送りの竜頭引出、可動位置が狭い」
などがあるようで、自動巻として使う分には問題ないようですが竜頭操作を、
普通の時計と同じ様な強度と思って触ると壊れやすい作りという事です。

ただ結果的にお気に召さず頂いた費用は「全額返金」するしか無く。
こちらお客様と職人さんの間で、気だけ遣って大損して得るもの無しですから
やはりフェイクは関わるとろくな事にはならないと。
以後、一切受付中止です。

それと偽物を送って来る方へ
「警察から問いあわせがあれば情報は出しますからお覚悟の上で」

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