時計の修理受付例/Seamaster 1429
2012年5月28日お預かりのSeamaster 1429電池交換メンテナンスですが分解修理となりました。
2本届いたうちの1本。
ステンレス無垢バンドに三つ折れダブルロック。
微調整部分の位置をチェックします。
裏蓋はスクリューバックで右が裏蓋記載。
ベルトごと洗浄でバックルも綺麗になるでしょう。
あまりの固さに工具が滑ってキズが。ところがサビは無く?
裏蓋の裏側もチェックするとサビ。
これがムーブメントですがサビサビ。
これは間違いなく動かない。
電池もチェックします。
サビは歯車にまで及んでおり分解修理どころかムーブメント交換か?
内部が錆びているので竜頭がポロリ。
針の夜光もカスカス。
竜頭パイプも、ここまでは綺麗になって。
ケースの洗浄は終わってツヤが出ましたね。
裏蓋も洗浄して綺麗になりました。
全体的にツヤが出て綺麗になったところで職人さんに託します。
2週間で上がって来ましたムーブメント交換。
同じETAのムーブメントですがオメガの名前はありません。
こちら元のムーブメントはサビで分解不可能。
カレンダーの早送りも「短針のみ回す」タイプから「一段引き早送り」タイプに変更。
パッキンは交換してシリコン塗布をしてケースに戻します。
裏蓋を乗せてスライド用のフィルムも入れて閉めます。
夜光はインデックスの修整までは出来ません(文字盤交換必須)が、針だけ夜光入れしてくれております。でもこれだけの浸水状態になるという事は「竜頭の防水機能」「ガラスの防水機能」「裏蓋の防水機能」全てが劣化している証拠で。
メーカーへ出せば「ケース交換」も必須になるかも知れません。とにかく「ムーブメント交換」はしても防水機能は無しの積もりで使った方が無難ですね。
それから数ヶ月。「再度、止まりましたとお連絡」。さてムーブメント交換までしておりますが?。再度送って頂きましたが、到着時は動いておりました。
職人さんに再度みてもらって結局は「回路交換」で戻ってきました。このムーブメント交換した回路が不具合で交換となったようで、もちろん費用は掛かりません。
この「ムーブメント交換」での再修ですが、「ムーブメントの交換」だけなら私でも出来そうなものですが職人さんに頼みます。というのも卸元から「販売したムーブメントは”要OH”状態もありえます」という事になので私では仕入れても対応が出来ないからですが。
今回の例でも「ムーブメント交換したパーツが不具合」もありえるのだと。たしかに「ムーブメント交換」自体が頻繁に需要があるとは思えず。結構、長期在庫に在庫なっているのが普通になのでしょう。