時計の修理受付例/OMEGA SONIC 音叉時計
2014.11.1お預かりのOMEGA SONIC 音叉時計メンテナンスです。
音叉という時計は電池交換でも触りたくないレベルですから全てお断り対象です。
今回はお得さまのご依頼ですから免責事項も良くご存じなのでお預かりしてみました。
ただご依頼が複雑過ぎて、作業に入るまで二週間放置になりました。
よほど精神的に余裕が無いと出来る作業では無く、心の準備が出来るのを待つとそうなります。そのためには、介護の中断をする必要がありケアマネさんに申し入れて調整するのに時間を要します。だから断ったのですが、そんな説明がメールでは伝わらない。
様は2個イチですがガラスは移植で後は何だったか?
ガラスの移植といってもどおうもプラスチック・パッキンのようで。かなり変色して劣化しております。外せば戻せなくなるでしょうから、そこはスルーしかないでしょう。
裏蓋はスクリューバックで裏蓋記載。
裏蓋の裏側もチェックして。
パッキンが溶けて摘まめない状態。接着剤を塗ったような感じにまで溶けて摘まめません。
ケース側にも溶けたパッキンがこびりついております。
元から電池が入っていない状態ですから不具合パターン。電池格納部をチェクしますが液漏れの跡。
竜頭の裏側の汚れをチェックして。
文字盤&ムーブを取り出しますが意味不明なネジが転がり出ます。
過去にも何度か有り。そこが触りたくない理由でもありますが、やはり同じ結果に。
これが取り出した文字盤&ムーブメント。
ケースの内側もチェックして。
溶けたパッキンは揮発で溶かしながら拭き取ります。
ガラスのキズが気になるのと、目盛リングがあるので、そのまま洗浄は出来ません。
ケース側はパッキンが溶けておりますから拭き取るとこうなります。
裏蓋側は摘まもにしても溶けており。
ここまでは綺麗になりました。このケースを使用します。
裏蓋は洗浄して綺麗になりました。
ケースの洗浄は終わってツヤが出ましたね。
パッキンは交換してシリコン塗布をし裏蓋に戻し
裏蓋を閉めてまるごと洗浄して浸水が無いかチェックします。
さてこちら、片方のラグ部にピンが折れ込んでケースが使い物になりません。
でもムーブメントは修理済みとかで、ガラスもこれを外して使う事を
ご希望ですが無茶振りです。
そして一番心配していた”修理済みのムーブメント(正常動作)”が不動になりました。
伝える「と修理元に言いますと」いうことで他店と余計なトラブルになりたくない。
いくら了解頂いているとはゆえ、そのまま返すわけにも行かず修理センターさんに託します。
裏蓋はスクリューバックで裏蓋記載。
こちらもパッキンは溶けております。オメガのオールド・クォーツは大概
パッキンには柔らかい素材のモノが使われておりますから仕方がない。
これがムーブメントで。
ムーブメント拡大。
竜頭の裏側の汚れをチェックして。
竜頭を抜くとムーブメントが浮き上がります。
生かす方のケースの洗浄は終わってツヤが出ましたね。
竜頭の裏側は洗浄でここまでは綺麗に。
2014.11.29修理センターさんから戻ってきました。なんとか動くようにはしたけど当然
保証など出来る年代でもムーブメントの状態でも無いという事です。
結果として「左側:動く時計が一つ完成」しました。
分解修理と洗浄(メンテナンス)となります。
音叉は全てお断りしているのは、こういう理由ですから
このページを見て依頼されても「お断りします」のはご理解宜しくお願いいたします。