時計の修理受付例/LONGINES CONQUEST
2012年9月19日お預かりのLONGINES CONQUEST電池交換メンテナンスです。
4本届いたうちの1本。
ステンレス無垢バンドに両開きバックル。
ラグ部はCリングピンで留まっております。
裏蓋は”はめ込みタイプ”で右が裏蓋記載。
裏蓋の裏側もチェックして。
これがムーブメントで。
ムーブメント拡大。電池が湿気て液漏れの雰囲気。
パッキンを外して汚れを拭き取ります。
ムーブメント取り出しですが・・・巻芯が錆びて固着。竜頭が微動だにしません。
兎に角、竜頭は引いたらポロリ。普通折れ口は銀色ですが・・・サビが浸透しております。
巻芯が膨張した感じですね・・・竜頭パイプと巻芯には隙間があるはずがサビでビッシリ。
電池格納部をチェックしますが、やはり液漏れが。これも漏れた液が固着しているのでかなりの放置期間と、時計には劣悪の環境が見えますからフリマとかの調達か?
これが取り出した文字盤&ムーブメント。と言っても「竜頭が抜けた訳ではありません」
分かりますか?竜頭は折れて巻芯はサビでケースに固着したまま。つまりムーブメントを上手く浮かせて引き抜きました。洗浄すれば振動で抜けるかも?
洗浄は完了してサビも落ちて綺麗に。
内側も見える範囲はサビは落ちましたが微動だにしません。
工具で巻芯の根本を掴んで引いてもビクトモしない。テコの原理で引くと・・ポキッ!
竜頭も洗浄しましたが、巻芯を取り外すのは無理でしょうから竜頭も交換になります。問題はオリジナルとか言われると困ります。「納期が長くなり費用も軽く10.000円はアップ」
ただ今回の様に、こうなる事はお客様には分かりません。結果的にこうなりましたがこの状況で「オリジナルで、本来の機能の復元は当然」と言われると前にも進めないし、また返却も出来ない。説明もしても理解して頂けるかどうか、つまりは「お客様の希望次第で厄介な預かりになります」。
この状態を見た時点で「無碍に断っておく」が正解となります。パーツの入手出来るなら「見積60.000円」で牽制ですか。それ以下なら合わないでしょうから返却した方が無難という判断が正しい預かりかと。
Cリングピンやバンドも綺麗になったところで。
ベルトを取り付け電池交換では不動ですが、修理のご依頼となりました。
さて直って参りましたが竜頭はシルバーに交換。巻芯が錆びて膨張していたので抜けなかった様で「竜頭パイプも破損」していたようで入替。
こなると、どうしようもない。
竜頭サイドの「ガードあるので竜頭の大きさが限定される」かつ「竜頭パイプがあるので深さも限定される」。既製品で合わすには手間とチョイスに掛かる手間は計り知れない。よって「ある程度”お任せ”頂かないと出来る事も出来ないですか。
「電池交換メンテナンス」「分解修理」「竜頭、巻芯交換」完了です。